1986年、その後数十年にわたって多くの人々から愛され続けベストセラーとなったシャープペンがぺんてるから発売されました。
グラフ1000 フォープロ。
不用意な光の反射を防ぐマットブラック塗装、滑りにくさと繊細な握りやすさを実現したコンビネーショングリップ、ペン先の周辺が見やすいステップヘッド状のペン先、口金が緩んでも安定して芯を送り続ける精密性。
徹底的に実用性を考え抜き使う人の側に立って設計された、まさしく製図用シャープペンシルの決定版です。
今回はそんな時代を超えて使われ続ける「ぺんてる グラフ1000 フォープロ」のレビューをしていきます。
製品情報
製品名称 | グラフ1000 フォープロ |
メーカー | ぺんてる |
販売価格 | 1,100円(税抜1,000円) |
芯径 | 0.3mm、0.4mm、0.5mm、0.7mm、0.9mm |
長さ | 14.5cm |
重さ | 11g |
公式HP | グラフ1000〈フォープロ〉|商品紹介|ぺんてる株式会社 |
使う人を第一に考えた設計
グラフ1000の黒で統一された外観からはプロの雰囲気が漂ってきます。それもそのはず、グラフ1000のデザインは使う人を考え実用性を第一に設計されているためです。
光の反射を防ぐマットブラック塗装
口金やクリップなどの金属パーツでさえ黒で統一されているのには理由があります。
口金やクリップといった金属パーツをマットブラック塗装することで不用意な光の反射を防ぎ、筆記に集中できるようにするためです。
硬度表示窓と芯径の表示
ノック部分には芯径の表示があり、ペン立てに置いたときに分かりやすくなっています。
硬度表示窓は「3H、2H、H、F、HB、B」が表示できます。回すとカチッと固定される感触があり、使っていて表示が勝手に変わることはありません。
4mmガイドパイプを備えたステップヘッド状の口金
ガイドパイプは固定4mmとなっています。口金はステップヘッド状のフォルムになっており、円錐形の口金よりもペン先周辺の視界を確保できます。この形状の口金を導入したのはグラフ1000は初めてだったそうです。
ラバーと金属のコンビネーショングリップ
グラフ1000 フォープロのグリップは金属に開けられた穴から横長のラバーが飛び出しているという、他のシャープペンと比べると特徴的な見た目をしていますが、これも使う人のことを考えられたデザインです。
ラバーグリップは握り込むと指先の感覚が変化するため精密性が求められる製図用シャープペンには向きません。ですがグリップが金属だけでは滑りやすいです。
その点グラフ1000 フォープロはラバーがついているため滑りにくく、握り込んでも金属があるため安定感も得られます。
製図用に求められる指先への繊細な感覚と、滑りにくさを実現したグリップとなっています。
低重心設計
グラフ1000 フォープロは低重心設計となっています。
ペン先に重さが集まるので筆記時の安定性が増し、長時間使っても疲れにくくなっています。
安定して芯を供給できるチャック
他のシャープペンは口金が緩むと芯を出せなくなりますが、グラフ1000 フォープロは口金が緩んでも芯を出すことができます。
10回のノックで必ず芯が5mm出るようになっており、精密な筆記性能を実現しています。
このように、グラフ1000はそのボディに使う人を第一に考えた工夫をいくつも散りばめています。プロの雰囲気が漂ってくるのも納得です。
実際に使ってみた感想
滑りにくく、繊細な握りやすさ
ラバーと金属のコンビーショングリップを握ってみると、硬い金属の感触と少し柔らかいラバーの感触を同時に感じられ、なんとも不思議な気分です。
実際に使ってみると、滑りづらくも指先への繊細な感覚を感じられ、まさに製図用シャープペンに適したグリップだと感じました。ですが、他の人も言っているように、同じラバーと金属のコンビネーショングリップである「スマッシュ」の方がグリップ力は良いように感じました。
低重心設計であるためペン先に重さが集まり安定感ある書き心地です。重さも11gとそこまで重くないため、取り回しも良く非常に使い勝手が良かったです。
精密さをもとめた書き心地
グラフ1000 フォープロの書き味はとても軽やかでクセが全くありません。自然な書き味です。軽く低重心設計であるため取り回しがよく、狙った位置にペンを動かすことができます。
ステップヘッド状の口金は確かに円錐形の口金よりも視界を確保しやすいような気がします。
何よりもマットブラック塗装により不用意に光が反射しないというのは使っていて気が散ることがなく、集中力を切らさずに書けます。
クセがなく精密で、手に馴染む書き心地です。
気になったポイント
私はグラフ1000フォープロを6年ほど使っていますが、いくつか気になったポイントがあります。
・金属パーツのマットブラック塗装が剥がれやすい
・使い続けているとだんだんグリップに光沢がでてくる
・なぜか0.7mmのチャックのホールドが弱くなりやすい
金属パーツのマットブラック塗装が剥がれやすい
やはり金属の上に塗装をしているので、使っているとどうしても色が剥がれて金属が露出してきてしまいます。自分は使い込んだ感じがして気に入っているのであまり気にならないのですが、「塗装を剥がしたくない」という人は注意が必要です。
使い続けているとだんだんグリップに光沢がでてくる
写真ではわかりにくいですが、下のグラフ1000のグリップは上に比べて光沢が出ています。
このように使い続けていると汗や湿気などでだんだんとグリップに光沢が出てきます。マットブラックのかっこよさが薄れてきてしまうので少し残念なポイントです。
なぜか0.7mmのチャックのホールドが弱くなりやすい
私は今までチャックのホールドが弱くなり使えなくなってしまったことが原因で、0.7mmだけ3回買い直しました。私自身あまり激しすぎる使い方はしていなかったはずなので、何が原因でチャックのホールドが弱くなったのかは不明です。もしかしたら個体差だった可能性もありますが。
個人的に0.7mmの書き味が気に入っているので残念なポイントです。
まとめ:クセのない実用的なシャープペン
グラフ1000 フォープロは使い手のことを第一に考えた実用的なシャープペンで、まさしく「製図用シャープペンの決定版」です。
製図用シャープペンで迷っていたらグラフ1000フォープロを選べばきっと後悔はないでしょう。あなたに最高の筆記体験を届けてくれるはずです。
ここでは紹介していませんがグラフ1000には他にカラフルなカラーのラインナップがある「グラフ1000 CS」というモデルも発売されています。「黒で統一されたデザインが好みじゃない」という方はそちらをおすすめします。
みなさんもぜひグラフ1000 フォープロを手に取ってみてください。きっと筆記の世界が変わるはずです。