今回紹介するのは、ぺんてるから発売されている「スマッシュ」です。
スマッシュの名前は文房具好きじゃなくとも聞いたことがある人は多いはずです。
まさに昨今のシャープペンブームを牽引し続けてきたシャープペン界の親分と行っても過言ではありません。
ですがこのスマッシュ、実は最近発売されたものではありません。
なんとシャープペンブームが始まるずっと前、1987年に発売されたんです!
これは驚きですよね。
そんな30年以上のロングセラーとなっているスマッシュですが、一体他とは何が違うのでしょうか?
どうしてそんな昔に発売されたシャープペンが今大人気となっているのでしょうか?
今回はスマッシュ歴7年の私が、スマッシュへの愛を語り尽くします。
これを読んだらあなたもすぐに欲しくなってしまうでしょう。
製品情報
製品名称 | スマッシュ |
メーカー | ぺんてる |
発売年 | 1987年 |
販売価格 | 1,100円(税込) |
芯径 | 0.5mm、0.3mm |
重さ | 13g |
長さ | 13.9cm |
公式HP | スマッシュ|商品紹介|ぺんてる株式会社 |
スマッシュをレビュー
少しクラシックな外観
まずは外観から見ていきましょう。
スマッシュのデザインはとてもシンプルです。黒で統一されたボディに、赤のロゴ。全体的に少しクラシックな雰囲気を感じさせます。
ですが、決して古すぎるということは全くありません。
まさに時代を超えて愛されるデザインです。
遊び心をくすぐる作り
押してしまいたくなるノックボタン
ノックボタンに注目すると、バネのような面白い形状をしています。
思わず押してしまいたくなる形状ですが、実はこれ、あるモノをイメージして作られているんです。
何だと思いますか?
正解はオートバイに付いているショックアブソーバというパーツです。
私がスマッシュを初めて手にとった時、思わずノックボタンを押してしまったのを今でも憶えています。
スマッシュはノックボタンに、思わず押してしまいたくなるような、遊び心ある設計を加えています。
必要のない硬度表示窓
スマッシュはその特徴から製図用シャープペンだと思っている方が多いようですが、実は違います。
スマッシュは開発時から一般筆記用として設計されているんです。
製図ならともかく、一般ユーザーがBとHBの芯を頻繁に入れ替えることはまずないと思います。
ではなぜ硬度表示窓が付いているのでしょう?
答えは単純。
これも当時の開発者の遊び心だからです。
私としてはこの硬度表示窓は大正解だったと思います。
私はよく芯の硬度を変えて使っているので硬度表示窓はかなり実用的に使っています。
そして何よりも硬度表示窓が付いているとなぜかワクワクします。
シャープペンマニアの方だったら分かるかもしれないのですが、硬度表示窓が付いているシャープペンを文房具コーナーで見つけると、めちゃくちゃテンションが上がりません?
硬度表示窓が付いているだけで目をひきます。
遊び心が各所に散りばめられているスマッシュは本当に使っていて飽きないペンです。
実用的な設計
スマッシュは楽しいだけではなく、実用性も十分兼ね備えています。
同じくぺんてるから発売されているプロ仕様の製図用シャープペンシル「グラフ1000」の設計をもとに作られた、一般筆記用のシャープペンなのです。
プロ仕様の一般向け!?
なんと贅沢なことでしょうか。
お次は楽しいだけじゃない、スマッシュがどれだけ実用的で筆記性能が高いシャープペンであるかを紹介します。
プロ仕様の金属チャック
芯を送り出す役割を持つ、まさにシャープペンンの心臓部とも言えるチャックは、耐久性と精密性に優れた金属製のチャックが使用されています。
さらにこのチャックは口金が緩んでも(スマッシュに口金は無いですが)ノックでき、安定して芯を供給できるという徹底ぶり。
一般向けなのに精密性・耐久性は共にプロ仕様。
実際書いていて、プラスチックチャックにあるような不安定さや脆さといったものは全く感じません。
ほんとうに一般向けとして作ったのか?と疑いたくなるほどです。
口金と一体化のグリップ
スマッシュの最大の特徴の1つとして、口金とグリップが一体化しているということが挙げられます。
これの何が良いかと言うと、使っているうちに握る位置が下がってきて口金を回してしまい芯が出なくなる、ということがあると思いますが、それが無いんです。
さらに口金とグリップ間でのパーツのブレといったものが全くありません。
設計モデルとなったグラフ1000ですら口金とグリップは分離していたと言うのに、スマッシュはパーツのブレの少なさという観点では、プロ向けのグラフ1000よりも優れています。
私はこれまで何本もシャープペンを使ってきましたが、スマッシュを超える安定性、タフな使い心地を超えるシャープペンはありません。
何度も言います。このスペックで一般向けです。
信じられますか?
4mmのガイドパイプ
今でさえ一般向けのシャープペンでも増えてきた4mmのガイドパイプですが、当時は2~3mmが一般向けでは主流となっていたようです。
そんな中でもスマッシュは、製図用シャープペンの主流でもある4mmのガイドパイプを採用。
ペン先周辺が見やすく、定規も引きやすい。
確かに一般筆記向けは製図用に比べてよりタフにガシガシと使われることが想定されるので、ガイドパイプが折れてしまう可能性は高いでしょう。
それでもなお、4mmを選んだのは当時の開発者のこだわりが見えます。
実際に使ってみると、4mmのガイドパイプは本当に書きやすいです。
また、ガイドパイプの折れについては、私は7年間同じスマッシュを使い続けていますが、今まで一度も折れたことはありません。
もちろん大切に使っているのもありますが、何よりもスマッシュの作りが頑丈である証拠です。
四角いラバーリブ付いたグリップ
ここまで見たらスマッシュは製図用シャープペンと何ら遜色ありませんが、グリップにはスマッシュが一般向けとして作られた特徴が存在しています。
それが、四角いラバーリブの付いた金属製のグリップです。
それが何?と思われる方もいるでしょう。
比べてみるとグラフ1000のラバーよりも飛び出していることがわかります。
製図用シャープペンは一般的に、握り込むと指先への感覚が変化してしまうラバーグリップは適していません。
グラフ1000のラバーの凹凸も最小限に抑えられています。
ですがスマッシュはあくまで一般筆記向け。
そのため、指先への繊細な感覚よりも滑りにくさを優先し、よりタフに使えるように設計されているのです。
実際に握った感触は、確かにグラフ1000と比べると滑りにくさが増しています。
ですが、ラバー感が強すぎるということもありません。
確かにグリップ力を高めるためにラバーの突起をより大きくしてはいますが、金属グリップとしての繊細な感覚もしっかりと感じられます。
よりタフに使うことができ、そして製図用シャープペンのような繊細さも持ち合わせている、そんなグリップです。
低重心設計とちょうどいい重さ
スマッシュは低重心設計で、重さがペン先に集まります。
なので、重心が高いペン特有の、書いていてペンに振り回されるような感じは全くなく、書いている時のブレも非常に少ないです。
また重さは軽すぎず、重すぎません。持ってみると全く違和感がない重量感です。
ラバーリブのグリップ・低重心設計・ちょうどいい重さが合わさって、取り回しが良く、安定感あるタフな書き心地を実現しています。
まさに一般筆記向けとして理想的な筆記性能です。
まとめ:遊び心があり、実用的
スマッシュは本当に良いシャープペンです。
使いやすく、飽きない。
数あるシャープペンを使ってきた私ですが、私の筆箱の中には常にスマッシュが入っています。
それほど使いやすいです。
また、最近では色々なカラーや限定色なども販売されており、選ぶ時の楽しみが増えました。
加えて、0.3mmもラインナップされています。
スマッシュは私の相棒です。これからもきっと使い続けるでしょう。
どうです?スマッシュの良さが伝わったでしょうか?
最後にここまで読んでいただきありがとうございました。