“芯が折れない”ことで有名なぺんてるのオレンズシリーズ。その最上位モデルとしてラインナップされているのが今回紹介する「オレンズネロ」です。
オレンズネロは芯が折れないだけでなく、ノックしなくても自動で芯が出る機構が搭載されています。
黒で統一されたデザインは他のオレンズシリーズのシャープペンとは明らかに放つ雰囲気が違います。
今回はオレンズネロ0.5mmを購入して半年が経過したので、書きやすさなど使い心地をレビューしていきます。
製品情報
製品名称 | オレンズネロ |
メーカー | ぺんてる |
販売価格 | 3,300円(税込) |
芯径 | 0.2、0.3、0.5 |
重さ | 17g |
長さ | 14.3cm |
公式HP | オレンズネロ〈 芯径0.2 / 0.3 / 0.5 〉|商品紹介|ぺんてる株式会社 |
2つの特徴的な機能
オレンズネロの最大の特徴は「芯が折れない」「ノック不要」である点です。
まず初めに、特徴的な2つの機能を紹介します。
①芯が折れない!『オレンズシステム』
オレンズといえば芯が折れないこと。その機構が「オレンズシステム」です。
オレンズシステムは芯をパイプから出さずに書きます。芯が短くなるのに合わせてパイプが上にスライドしていきます。
パイプが芯をしっかりと守る。
芯を出さないで書くので折れる心配はないというわけです。
②ノックいらず『自動芯出し機構』
オレンズネロにはオレンズシステムに加えて、芯が自動で出る「自動芯出し機構」が搭載されています。
ペン先が紙面から離れるたびに自動で芯が出てきます。
最初のノックだけで、芯が無くなるまで書き続けることができる。
使っている途中のノックが全く必要ないので、最後まで筆記に集中することができます。
オレンズネロ 0.5mmをレビュー
グラフ1000、スマッシュを継承したデザイン
外観をみると、明らかに他のペンとはまとっているオーラが違います。
マットブラックで統一された、職人をも思わせるデザイン。同じくぺんてるのロングセラーであるグラフ1000やスマッシュを彷彿とさせます。
それもそのはず。公式によると、外観はグラフ1000やスマッシュのデザインを継承しているとのこと。
初めてオレンズネロを見た時、「ぺんてるのシャープペンだな」としっくりきたことにも納得です。
マットブラックで統一されたデザインは、もはやぺんてるの代名詞のようなものになっているというわけです。
中央のリングには「Pentel」との刻印が。主張しすぎていないのがいい感じです。
軸が12角形のシャープペンは今まで見たことがなかったのでとても印象的です。円形の軸よりもタフな印象を与えます。
また、ペン全体の半分がグリップになっている点も印象的です。ここまでグリップが長いシャープペンは他にあったでしょうか。
クリップはどうやらスマッシュと同じものを使用しているようです。外すのが大変なので試してみてはいないですが、おそらく互換性があると思います。
口金はマットブラック塗装で、光の反射を防ぎます。光の反射により気が散ってしまい集中力が低下するのを防ぐ効果があります。これはグラフ1000やスマッシュでも同じでした。
重量感・重心バランスなど
オレンズネロは低重心設計です。リングより上がABS樹脂、グリップは金属と樹脂を混ぜ合わせた材質が使われているので、下の方に重さがあります。
さすがスマッシュを生み出したぺんてるなだけあって、筆記時の安定感は抜群です。
重さは約17g。見た目が結構ずっしりしてそうなので、持ってみると意外と軽く感じました。個人的にはもう少し重さがあった方が好みでした。
ですが、芯を出さないで書くオレンズシステムの特性上、重すぎるとパイプが紙に強く擦れて跡が残ってしまうので、重すぎず軽すぎない17gという重量は、オレンズネロにとってはベストだったのかもしれません。
握り心地
グリップは12角形になっています。
ここまで多角形なグリップはかなり珍しいんじゃないでしょうか。
12角形なのでどこを握っても指が面をしっかりと捉えます。
ただ、その面がやはり少し細くなっているので、指が太い方は握りにくく感じてしまうかもしれません。
横に溝が入っていますが、滑りにくさは可もなく不可もなくといった具合です。
書き味
オレンズシステムの特性上、書くときにパイプから芯を出さないので、パイプが紙に当たって擦れます。
その感覚が最初は慣れなくて違和感を感じてしまうかもしれません。ですが、その違和感もすぐに慣れます。
ぺんてるはパイプの紙への当たり具合をかなりこだわって開発していたらしいので、使っていて不快に感じるほどではありません。
ただ、芯をパイプから出さないで書くので、濃く書くためには普通のシャープペンよりも筆圧を強める必要があります。
自重だけで書こうとするとものすごく薄い字になってしまいます。
なので、デフォルトではHBの芯が入っているようですが、Bか2Bの芯を使うとちょうどいい濃さで書けると思います。
濃い芯は柔らかいためどうしても折れやすくなってしまうのですが、オレンズは折れる心配がないので、濃いめの芯も気兼ねなく使うことができます。なので、オレンズネロと濃い芯は相性ピッタリというわけです。
また、オレンズは細芯でも折れないことを売りにしていますが、やはり普段使いには0.5mmが一番だと思いました。
折れないとはいえ、0.3mmは普段使いとしてはやはり細すぎて濃い字を書くには少し不便です。
0.5mmで折れない。個人的にはこれが一番しっくりきました。
折れない・ノック不要はストレスフリー
当たり前かもしれませんが、シャープペンは芯が短くなったらノックをして芯を出し、筆圧をかけすぎたりすると芯が折れます。
それがシャープペンです。
ですが、オレンズネロにはそれが全くないのです。
最初のノックでずっと書き続けられる。しかも、芯も折れずに。
たったそれだけ?と思うかもしれませんが、使ってみると予想以上にストレスフリーで便利でした。
使う人を”書く”ことだけに集中させる。
長年使う人のことを第一に考えた製品づくりを続けてきたぺんてるらしい設計です。
“集中して書く”ということに関しては、オレンズネロの右に出るものはいないでしょう。
ここが少し残念・・・なポイント
オレンズネロはパイプが長いです。なので、芯がパイプ内に残ってしまった時などは取り除くのが少し大変です。
なので、芯を取り除くためのクリーナーピンが消しゴムに付いていると嬉しかったと思いました。
壊れやすいとの評価もあるが・・・
いろいろな人のレビューを見てみると、「自動芯出し機構が繊細で壊れやすい」「落としたらペン先が折れてしまった」「芯が出なくなった」などと、壊れやすいとの評価もかなり多いようです。
私は購入してからやく3ヶ月経っていますが、まだ不具合はありません。
3000円と決して安くはない値段なので、注意して使っていきたいと思います。
まとめ:「書く」ためのシャープペン
折れない。ノック不要。
オレンズネロは書き続けるために作られたシャープペンです。
“集中して書く”ということに関しては、オレンズネロの右に出るものはいません。
書くための道具として極められた至高のシャープペン「オレンズネロ」。
ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか?